農地の利活用について

お手持ちの農地、税金は収めているものの、ほとんど使えてなかったりしませんでしょうか?

「耕作するのは大変だし、農地を売ってもお金にならないって聞いたから。」と、そのまま荒れた土地になっている方は少なくないと思います。

もしかすると、その農地、もっと有効に使うことができるかもしれません。

例えば・・・

  • 息子さんや娘さんのための住宅用地に転用
  • 雑種地にかえて駐車場経営
  • ソーラーパネルを設置して売電
  • 賃貸用不動産を建てて不動産経営

など、このほかにも様々な活用の手段が用意されています。

これを機に、農地活用を始めてみませんか?

この投稿では、農地を宅地にかえていく農地転用という準備手続きについて、愛知県知多市の例を用いながら解説します。

ご注意

本稿では、一般的な宅地面積のものを想定して書かれています。

農林水産大臣等との事前協議が必要な大規模なものは想定しておりませんので予めご了承ください。

まずは活用したい農地がどこにあるのか確認しましょう

農地は場所によってかけられている制限が違います。

あそこの農地は家が建てられたのに、ここの農地はダメだった。」と、いうようなケースは当たり前のように発生します。

その判断材料のひとつに、農地の場所が市街化区域内にあるのか、それとも市街化調整区域内なのかという物差しが使われます。

市街化区域と市街化調整区域って?

これは農地法とは別の都市計画法という法律で定められた区域区分のことです。

他には線引きなどといった呼ばれ方もします。

市街化を推進していく区域なのか、逆に抑制していく区域なのかを分けるイメージです。

それぞれ個人が、思い思いに家を建てたりすると、限られた税源では電線や上下水、その他のインフラ整備ができなくなってしまいます。

そこで法律を使って、市街化の方針を決めているのです。

対象の農地が市街化区域にあったら?

所在地が市街化区域であった段階で、手続きの手間が大きく和らぎます。

続いて確認することは、生産緑地に指定されているか否かです。

生産緑地は生産緑地法をもとに、市町村の都市計画によって定められます。

いくら市街化を推進する区域とはいえ、その中にある豊かな土地をむやみに潰してしまうのは賢明ではありませんので、指定した土地の課税額を下げるなど優遇措置を施し、市街化区域の中でも営農しやすい環境を創り出しているのです。

生産緑地に指定されていたら?

解除手続きは厳格に条件が定められています。

  • 生産緑地の指定から30年が経過した場合
  • 土地の所有者または主たる従者(小作など)が病気にかかったり、障害を負うなど営農が困難な場合
  • 土地の所有者が死亡し、相続したものが農業等を営まない場合

この3つに限定され、さらに解除に至るまでには一旦市町村などへ買い取りの申し出を経る必要があり、市町村が買い取らない場合はその他、営農等に従事する者の中から買い取り希望者を募ります。

そこで希望がなく、買い手がつかない場合に限って初めて解除が認められます。


ワンポイント

生産緑地法が改正・施行され、30年の制限が定められてから2022年に30年経ちます。

今まで解除できなかった指定が解除できるようになっているかもしれませんので是非チェックされてみてください。

生産緑地ではなく普通の農地だったら?

普通の農地であった場合、そのまま別の地目に変えていく手続きに入ることが出来ます。

手続きの種類は2種類あります。

  • 自身が所有する農地を自身の宅地へ変える場合
    →農地法4条1項7号に基づく届出

  • 自身が所有する農地を自身以外の者の宅地へ変える
    →農地法5条1項6号に基づく届出

それぞれ、矢印で示した書類を作成して農業委員会へ届け出ることで審査を受けられます。

愛知県知多市の場合、この届出の提出に関して受け付け期間は定められておりませんので作成次第、随時提出することができます。

問題が無く、通常通りに進めば愛知県知多市の場合は7日で審査が完了します。


ワンポイント

自治体によっては提出期間を設けているところもあるので注意が必要です。

事前確認するなどして、計画に影響がでないようにしましょう。


対象の農地が市街化調整区域にあったら?

この場合、まず農振農用地でないことを確認する必要があります。

農業振興地とは、特に農業にとって適した地域を指定するもので、農業振興地域の整備に関する法律(農振法)によって定められています。

この法律の規制がかかる農地を農地青地、そうでないものを農地白地などと呼んだりもします。

白地には市街化調整区域を指すニュアンスも含まれるため、注意が必要です。

農振農用地だったら?(農地青地)

農業振興地域から該当の土地を除外するための手続きが必要です。

農業にとって特に適した土地が失われてしまうのは、お米や野菜を主食とする日本国民にとっては大きな損失に当たります。

そのため審査も厳しく、「条件さえ満たせばなんでもOK」のように画一的なものでもありません。

真っ当な理由があることや、やむを得ない事情があることをキチンと証明しなければなりません。

また、この申請は年中受け付けている訳ではなく、自治体によって期間が異なります。

愛知県知多市では年4回(5月・8月・11月・2月)の受付期間が設けられており、各月20日までに申請しなければなりません。

そして、こちらの手続きの見通しが立った段階で、以下の「農振農用地ではなかったら?(農地白地)」に記載する農地転用の手続きに移っていきます。

農振用農地じゃなかったら?(農地白地)

手続きの種類は2種類あります。

  • 自身が所有する農地を自身の宅地へ変える場合
    →農地法4条に基づく許可申請

  • 自身が所有する農地を自身以外の者の宅地へ変える
    →農地法5条に基づく許可申請

この2種類とも、許可申請をする先は愛知県知多市の場合は都道府県知事です。

ワンポイント

自治体によっては権限を与えられ、市町村が許可権者になっているところもあります。

そういった自治体に限らず、愛知県では知多市を含め、どの申請も農業委員会を経由して都道府県知事の許可を得る手順になっているので、まずは各自治体の農業委員会へ相談されると良いでしょう。

審査期間にかかる時間は都道府県知事許可の場合、標準的な事務処理期間については6週間と公表されています。

おわりに

ざっくり、農地転用に係る一連の流れや確認事項を書かせていただきました。

実は農地転用の許可申請は、農地活用手続きのほんの一部でしかありません。

例えば、売買をするために土地境界の確定を行ったり、農地転用の許可を得た後、登記地目をかえる手続きが必要であったり、時間も手間もかかります。

おまけに、農地転用などの行政手続きは行政書士、土地の境界に関しては土地家屋調査士、登記に関する手続きに関しては司法書士など、それぞれ専門領域があり、相談先も多岐に渡ります。

「手に余ってる土地はあっても、どうすればいいかわからない。」

そんな方がいらっしゃいましたら、お役に立てることが必ずあるかと思いますので、下記フォームやお電話にて是非、弊所までご相談ください。

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